2016年11月30日水曜日

つぶやき 3

いつか見た映像。

イギリスはロンドンの北西にある小さな村。
まだ夜も明けきらぬ中、初老の男性が昨晩磨き上げたご自慢の愛車を道路に押し出した。
道は昨晩降った雨に濡れている。
周辺に灯りはともらず、まだ住民は寝静まっている。
ゆっくりと人気のない公園の近くまでバイクを押していくと、ヘルメットをかぶりエンジンをふかす。

彼は周囲に気遣うようにして静かに発進する。
通りに面した窓辺には花々が置かれ、暗い中にも古い町らしい華やかなおもむきがある。
そんな町の通りをゆっくりと進み、やがて町はずれから麦畑の広々とした空間が現れる。

スロットルを上げる。
道は緩やかに曲がりくねり、やがて広く気持ち良いイギリス西海岸沿いの舗装道路に入る。
東側の空はいまだに黒々とした雲に覆われているが西側は雲が切れ、今日の好天を予感させてくれる。
道はあくまでもゆるく上下し、そして緩やかにカーブし、乱れることのない風を切りながら彼の愛車は進んでいく。耳に聞こえるのは風を切る音と4ストロークの心地よいエギゾーストノート・・。

彼の週末の楽しみはほんの2時間ほどのライディングから始まる。
そして帰宅した彼はストーブの前でゆっくりとコーヒーをすする。


な~んてね。憧れちゃいますヨ。まぁそういうジェネレーションなんだなぁ俺も・・。


フィレンツェの路地で見たドカティ・スクランブラー

久しぶりに新潟に帰省した。
1人暮らしの母親の面倒を見てくれている姉から、困りごとやら愚痴やらを聞くことも大事だし、日に日に衰えを見せる母親の変化も記憶しておく必要があるから。

家の周囲も高齢化が進んでいる。
自分が子供のころは周りに一杯子供がおり、朝になればワイワイガヤガヤと学校へ通ったものだ。
しかし、子育てを終え、子は巣立ち、今や老人しかいない寂しい町になってしまった。
すでに空き家も目立ち、人の出入りがあると思えばデイサービスへの行き来くらい。

健康でいることは素晴らしい。が、皆いずれ歳をとり、体は弱る。
いずれ訪れる終末をどういう風に迎えるか。
それを考える時が迫っているような気がする。

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